相関

FXを含む全ての金融取引や商品取引には値動きがあり、それを予測して利益を上げていく。

それが理想的な投資と思われる。

だが、現実はそれほど甘くはない。実際に取引を始めてみると、

値上がりすると予想したものの下落、逆もまた然りなんてことは日常茶飯事である。

その中でもごくごく一部の人たちが利益を上げ続けることができるのだが、

多くの人は資産を減らすことになるだろう。

では、今回のお題目である「相関」に入っていくのだが、

そもそも相関とはなんだろう?

そうかん【相関】

  1. 《名・ス自》二つ以上の事物の、一方が変われば他方もそれに連れて変わるとか、あるものの影響を受けてかかわり合っているとかいうように、互いに関係を持つこと。また、そういう関係。 「―関係にある」

検索してみるとこのような意味合いを持つのだが、これをどのようにしてFX取引に利用していくのかというと、

上記の説明の「二つの以上の事物」を「2つの通貨ペア」に置き換える。

つまり「一方の通貨ペアが変動すれば、もう一方の通貨ペアも連動する組み合わせを探し、値動きによるリスクを軽減する」のが相関を利用した取引の狙いとなる。

実際のチャートを見ながら確認していこう。

この2つは青が豪ドル円、赤がニュージーランド円の直近1年間のチャートだ。

見比べると、なんとなく値動きが似ていることに気づくはずだ。

更にこの2つのチャートを重ねてみると

どうだろうか?完全に一緒というわけではないが、かなり近い動きをしているのが見て取れる。

実際の感覚としてオーストラリアとニュージーランドと地理的に隣同士の国なので、値動きが似てるのも頷けるはずだ。

そしてこの2つの通貨は「相関関係にある」と言えるだろう。

更に掘り下げて言えば、この「豪ドル円」と「ニュージーランド円」は「相関指数」という数値で表すことができ、

相関指数は直近1年間で「0.94」となる。

この相関指数0.94とはどのような意味合いを持つのかというと、

そもそも相関指数は「1~−1」で表され、1が完全一致しており、−1が真逆となる。

豪ドル円とニュージーランド円はチャートで確認できたように値動きが似ており、

更に相関指数は0.94であり数値的に1に近い。

この2点を抑えて実際の取引で考えていこう。

2つの通貨ペアの値動きが似ているということは、

仮に豪ドル円をロング(買)した場合は、ニュージーランド円をショート(売)すれば良いはずだ。

逆に豪ドル円をショート(売)ならばニュージーランド円はロング(買)となる。

こうしておけば値動きが似るはずなので、一方で利益が出ている時にはもう一方は損失が発生することになる。

ここで素朴な疑問が浮かぶかもしれない。何故このようなことをするのか?

冒頭にも述べたが、自分が予想した通りに値動きが進行すれば自ずと利益は出るのだが

実際はそんなことは長続きはしないだろう。

そこで 「一方の通貨ペアが変動すれば、もう一方の通貨ペアも連動する組み合わせを探し、値動きによるリスクを軽減する」 わけだ。

だが、相関を利用して値動きが似ている2つ通貨ペアを選択した場合利益も損失も限定されるはずだ。

当然それだけでは利益を得るという投資目的にはそぐわない。

今更だが、FXにはスワップという金利がある。

2国間の政策金利差によって発生する金利だが、簡単に言えば1日通貨ペアを保有していれば

受け取る若しくは支払わなければならないお金である。

つまり、「相関関係の2つの通貨ペアを保有しつつ値動きを抑制し、スワップをもらい続ける」ことが

可能であれば、リスクを抑えて投資できることになる。

上の図は当ブログが運営するスワップ速報ランキングの相関の豪ドル円とニュージーランド円の

スワップ受け取り額が多い組み合わせ順が並べてある。

ただ、左右を見ると取引業者が違うのが確認できる。

これはもし、左右を同じ業者にすると

3/30の時点で、当ブログの調べではくりっく365にて豪ドル円とニュージーランド円を保有して

1日3円というデータ結果となるためである。

2つの業者を利用する「サヤ取り」はスワップ受け取り額は多くなるが、資金効率は1つの業者で行うよりは悪くなる。

逆に1つの業者で相関を狙うと受取額は少ないが、資金効率は良くなる。

今回はイメージが湧きやすい豪ドル円とニュージーランド円を用いて、相関を利用したスワップ受け取り狙いの組み合わせとしたが、

他にも相関指数の高い通貨ペアも多々存在する中で、より効率的な組み合わせを探すのにスワップ速報ランキングを開発した。

以前のランキングは「過去の7日間平均」を表示していたが、昨今スワップの変動が激しく

「4日前はプラスの組み合わせだったのに、今日はマイナスになってしまった」なんてことも多発しており

7日間平均ではタイムリーな情報とは言えないと判断し、直近の1日をそのまま表示させるように変更した。

ただ、この場合3倍デーが各業者により違うので「A業者は3倍デー、B業者は1日分」なんてことも当然出てくる。

これは平均値も表示させる等でわかりやすくしていきたいが、試行錯誤中である。

また、スワップ発表の時間も業者によって全く違うので「昼間のランキングと夜のランキングが違う」等の弊害も考えられる。

こちらはある意味リアルタイムと言えばそうなのだが、とにかくわかりやすく表示させていきたい。

少し話が脱線したが、相関を用いたスワップ狙いの投資方法を伝えることができただろうか。

次回は「逆相関って本当に成立するの?

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