前回の記事で「相関」について述べたので、今回は名前そのままに「逆相関」について触れていこうと思う。
まず、金融商品取引等で相関が、チャート上で似通った値動きをすることを示すことは理解してもらった。
ならば逆相関はチャートが逆の動きをするんだろうなあって想像するに容易いと思う。
実際のチャートを見ていこう
こちらは青が「ランド/円」赤が「ドル/ランド」のチャートだ。
どうだろうか。値動きが逆になっているように見えないか?
もう少しわかりやすくする為にこの2つのチャートを重ねてみると

さっきよりも値動きが逆になっているのが感じとりやすくなりましたよね。
前回の相関ではチャートの動きが似通る為に、注文をする際には「ロング(買)」と「ショート(売)」と
逆の注文を行うことで、一方の通貨ペアが値下がりしてももう一方の通貨ペアが値上がりし損益の幅の抑制を狙い、
その代わりにスワップ金利を受け取り続けることを目的として投資方法があることを解説した。
今回はチャートの動きが逆になるので取引を行う際は、上の「ランド/円」と「ドル/ランド」を例にあげると
ランド/円「ロング(買)」ドル/ランド「ロング(買)」
若しくは
ランド/円「ショート(売)」ドル/ランド「ショート(売)」
と同じ方向への注文を出す必要がある。
ここで実際の取引した例で見てみよう
下の画面はヒロセ通商さんのLIONFXのデモ画面。

4/1に注文を建てており、ポジション一覧からランド/円ロング(買)とドル/ランド(買)と同じ方向への注文が確認できます。
ここで相関・逆相関を利用して取引を行う際に一番大事なポイントがあります。
それは「注文枚数の比率」です!
前回の相関ではオーストラリア円とニュージーランド円で解説した為に、頭の中からスッポリ抜けてしまっておりました・・・。
今回の逆相関で取り扱う通貨ペアのレートを再確認しましょう。
ランド/円 5.983(買い注文をするのでASKの数値)
ドル/ランド 17.9967(同上)
次にこの2つの通貨ペアを同じ価値に揃えなければなりません。
揃え方はドル/円のレートをランド/円で割るだけです。
107.564÷5.983=17.978≒18 つまりランド円18:ドルランド1の比率となります。
ヒロセ通商の発注単位は1,000枚ですが、今回はスワップを狙いの投資方法なので10,000通貨単位で注文してみます。
発注にはスプレッド(手数料)が発生するので、
ランド/円 スプレッド0.9×180Lotで1,620円
ドル/ランド スプレッド12.6×10Lotで126pip
ドル/ランドは円に修正する必要があるので、126pip×5.983ランド円のレート=753円
1,620円+753円=2,373円のマイナススタートとなります。
次にこちらの2つの画面は4/2と4/3の状況ですが、
画面右上で評価損益を確認すると−5,239円~6,357円程で推移しております。
現状はプラスとマイナスを行ったり来たりとムラがありそうですね。
次にスワップの付与状況を確認していきましょう。
まずヒロセ通商さんLIONFXのランド/円とドル/ランドのスワップ付与履歴です。
4/1に注文を建てたのでスワップが付与されるのは4/2からなので、
10,000通貨あたりのランド/円が6円、ドル/ランド買が−147円
ランド/円は180,000通貨注文してあるので18×6円=108円・・・あれ?
270円付与されてるんですけど!270円付与されるためには、スワップが10,000通貨あたり15円でないと・・・。
データを取り間違えてるのかなとヒロセ通商さんに確認しましたが、間違いなく4/2のスワップは6円と記載されてます。
これは「 ※円換算後のスワップポイントの数値は、前日の終値で換算している参考数値のため、実際に付与される数値と異なる場合があります。 」と注意書きもあり、その影響なのでしょうか。
次に4/3のスワップ付与状況を確認しましょう。
10,000通貨あたりのランド/円は10円、ドル/ランドは−146円
ランド/円は180,000通貨あるので18×10円=180円
前日の付与済みのスワップがランド/円で270円あるので270円+180円=450円
ドル/ランドは−147円+(−146円)=-293円

やっぱりランド/円のスワップの計算が合いませんね。
4/2が270円で4/3が540円ということは4/2も270円付与されたことになり、4/2・3ともに10,000通貨あたり15円の計算になります。
でもヒロセ通商さんのデータは4/2が6円、4/3が10円なんですよね。
これはデモだからなのか?まあ計算より多く付与されているから良し・・なのか・・・。
さて今回、逆相関の記事を書くに際し、どの通貨ペアを取り上げようか考えました。

逆相関指数が高い通貨ペアは最高値の−0.95で3つの通貨ペアがあり、その中で比較的安定した値動きをしそうなのがランド/円とドル/ランドと判断致しました。
−0.95はあくまでも直近1年間の値動きであって毎日毎時間毎分が−0.95で連動し続けるわけではありません。
ランキングは2つの通貨ペアの合算スワップの高い順に並べてありますが、1位のペアの直近1週間の逆相関指数は−0.20です。
とてもじゃないですが連動しているとは言えません。値動きによる損益の抑制が最大の狙いなので、実際の運用には不向きですね。
如何でしたか?相関はどちらかと言えばクロス円で語られることが多くまたイメージも掴みやすいですが、逆相関はチャートも逆な上に我々日本人から見るとマイナーな通貨を使用する組み合わせになることが多々あります。
各国の緊急利下げが続く中で値動きも安定しませんが、スワップも安定しておりません。
前回の「相関」も今回の「逆相関」も狙いは同じです。
「一方の通貨ペアが変動すれば、もう一方の通貨ペアも連動する組み合わせを探し、値動きによるリスクを軽減する」
それにより安定してスワップをもらい続けることができるのが理想ですよね。
逆相関にも目を向けて模索していけば、選択肢がより広がると思いませんか?
※今回の記事で掲載したヒロセ通商LIONFXのランド/円とドル/ランドの損益とスワップの推移はちょこちょこと報告していこうかなと考えております。