10年間のゴールドアノマリーを曜日・日付・月別で調べたら

あけましておめでとうございます。
すっかり放置していたアノマリーですが、その中でもボラティリティが大きいゴールドにアノマリーが存在するのかが気になったので過去10年間を解析し、曜日・日付・月別の3つの視点から調べてみようと思い立ちました。

そもそもアノマリーがある程度わかったところで勝率90%なんてあるわけでもないのはわかっているので、どこまで大事なお金を突っ込めるのかってなるんですよね。
それでももしあるのならば知っておく手はないので調べていきましょう。

まずはゴールドの約10年間(2011.1.3~2020.12.31)の2時間足且つ曜日別の陽線・陰線確率の表ですね。
最初に断っておきたいのことがあります。
アノマリー云々の前に陽線・陰線と2つの答えに絞ってデータを求めた場合、確率は50%に収束していきます。
これは検証数が多ければ多いほどより収束します。
ですから、陽線確率80%なんて数字はありえないわけです。それが起こりえるとしたら検証回数が少なすぎますね。

例えばドル円や日経平均の過去10年間のうちの2月1日の日足の陽線・陰線確率だけを調べようとした場合、まずそもそも過去10年間の2月1日が「全て平日」で10のデータが取れますが、仮に2回ほど土日だった場合は8つしかデータが取れずに確率がかなり偏ることもありえるのが予想され、6陽線2陰線となり陽線確率75%なんてことも起こってしまうわけです。

それを踏まえて図のオレンジで囲った箇所を見てみると、
金曜日の午前9時~11時までの陽線確率が61.3%・陰線確率38.7%
図では19時台までしか写っていませんが、21時台以降でも陽線・陰線確率共に60%を超えるのは金曜日の午前9時~11時のみです。

では、この金曜日の9時~13時の詳細を見てみましょう。

まず左の9時台の検証数は陽線106件・陰線67件の合算で173件、直近の勝率は4勝1敗と61.3%の確率に近いのかなと。
次に右の11時台は陽線243件・陰線255件の合算で498件です。
ここで何故9時台と11時台の検証数に差が出ているのか悩みましたが、まずこの9時台の9時が示しているのは日本時間の9時でありニューヨークでいうところの0時にあたります。
そしてゴールドの取引は24時間取引可能ですが、今回の参照してデータが0時~1時までの間取引不可だった為にデータが無かったというわけです。
これはサマータイム等の影響もありますが、それには対応しておりませんので検証数のデータとしては他の時間帯に比べて少し劣りますね。
だからこそ少し高めの61.3%という数値になりえたのかもしれません。端的に見れば9時台は陽線確率が高いのは間違いないわけです。



ではこれらの時間帯で取引をする利点があるのかと言えば正直無いと思います。
その最たる理由がレンジ幅ですね。
9時台にしろ11時台にしろ平均レンジ幅が3pips以下であり、仮にトレードした場合に得られる利益が限られそうです。
もちろんあくまで平均ですから、それ以上に動く時もあるわけで・・・なんて言い出したらキリが無いので。



では先ほどの取引をする利点であるレンジ幅がある時間帯はというと、これは月曜日~金曜日まで23時台~3時台あたりの共通のようですね。
金曜日だから動きが荒いなんてことは無さそうです。月曜日が若干動きが鈍いのかな程度でしょうか。
また確率的にも特段突出した曜日は無さそうですね。

これらのことからゴールドのアノマリーとして曜日を持ち出すのは難しそうです。
一応まとめてみると2時間足のデータから読み取れるのは
・金曜日の9時からが陽線確率が一番高い 61.3%
・レンジ幅(ボラティリティ)が広いのは23時以降
・陽線確率がその他に高い時間帯
水曜日9時~11時 56.7% 水曜日11時~13時 56.4%
金曜日翌朝7時台 56.5%
・陰線確率が55%を超えている時間帯は無し




次にゴールドを日別に調べて見ましょう。

まずは1日~11日までの2時間足の陽線・陰線確率です。
赤線で囲った5日9時台が72%で陽線確率が最も高いです。検証数の内訳は陽線18件・陰線7件です。
過去10年間で見ても日付別に検証しようすると25件しかなく、いきなり検証数が激減してしまうのがわかっていただけると思います。
青線はなんとなく陽線確率が続いている且つ陰線確率も高くない8日を囲ってあります。
アノマリーがそもそも根拠が乏しいものをデータで検証するものと考えておりますので、何故8日がこうなっているのかは当然わかりません。
緑線については陽線確率が高い時間帯が長く連続している箇所ですね。
2時間足のデータなので4連続ということは8時間は陽線が出続ける可能性が高い。つまりトレンドが発生しやすい可能性がある。
印はつけていませんが、なんとなく5日の19時以降は陰線確率が高いように見れます。
また8日が陽線確率が高い反動なのか9日は陰線確率が高い時間帯が多いようにも見れますね。


2枚目はゴールドの12日~23日までの2時間の陽線・陰線確率です。
赤丸で囲った箇所は23日19時台で1枚目と同じく陽線確率が最も高く65.9%。内訳は陽線56件・陰線29件です。
冒頭にも述べたようにサマータイム等の影響でデータ数で劣る9時台よりは検証数が増えましたが、それでも過去10年間で85件分しかデータがないわけです。
青線も同じく1日を通して陽線確率が高そうな13日を囲ってあります。
緑丸は連続こそしていないものの陰線確率が高い時間帯が目立つ15日の19時台以降を囲ってあります。
ゴールドにゴトー日は関係ないのかもしれませんね。


3枚目がゴールドの24日~31日の2時間足の陽線・陰線確率です。
こちらも赤線で囲った箇所が陰線確率が高い時間帯で30日の15時台で63%内訳は陽線28件・陰線49件です。
青線は陽線確率が高い時間帯が多い25日と29日を囲ってあります。
緑線が陽線・陰線確率が高い時間連続する箇所ですね。
こうやって1枚目から3枚目まで眺めると月末にトレンドが発生しやすいのかもしれませんね。


日付別のアノマリーをまとめてましょう。
・1日を通して陽線確率が高い8日、13日、25日、29日
・トレンドが発生しやすい時間帯が10日19時以降、15日19時以降、25日13時以降と23時以降、28日9時以降、29日11時以降、30日13時以降
赤線で囲った箇所だけでは特段要素が無さ過ぎるので考慮せず。
30日の13時以降が日付別で見た時に陰線確率が高い時間高いが連続するのが気になりますね。
ちなみに日付別で見るとレンジ幅(ボラティリティ)が広いのは翌1時時台(深夜1時以降)でした。




最後に何月何日というような特定日のアノマリーが無いかを調べて見ましたが、結果としては正直微妙でした。
1年で一番陽線確率が高いのが7月21日の61.9%内訳は陽線86件・陰線53件
だからなんなんだよってくらい微妙です。
その前後にも傾向があるわけでもないので、たまたま他より少し高いくらいにしか思えません。
他の月別で見てもあまりアノマリーを感じられません。
あえて言うならば8月が全体を通して陽線確率が高いかなあ程度です。



張り切ってゴールドアノマリーを調べた結果としてはイマイチな結果で終わったなと感じてはいます。
ただ、少しではありますが1か月の中で特定の日付や時間帯に少し傾向があるかもしれないという可能性は見受けられました。
個人的には30日(月末と考えていいかは保留)は陰線確率が高い理由があるのかもしれないと感じました。

今回のゴールドに続いて今話題のビットコインのアノマリーがあるのかないのかと思いましたが、それはまた気が向いたらということで・・・

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